花から広がる遊び 

新年度が始まり、かぜグループの子どもたちが見つけた草花遊び。花びらを手で揉むと花びらの色素が出ることを発見し、花を見つけては色を出して遊ぶ姿が見られます。そんなある日、他クラスの保育士から花をもらうと、「このお花の名前は何?」と図鑑で花の名前を調べたり「花びらから色が出るかな?」など子ども同士で対話したりしながら、花への興味が深まります。


「ツバキは赤い花びらだから赤い色が出ると思う!」「じゃあ、桜はピンクかな?」という会話をきっかけに実験が始まりました。ツバキと桜の花を千切り、それぞれ少量の水が入ったビニール袋の中に入れます。袋の口を結ぶと、モミモミタイム!花びらの形が壊れないように手で優しく揉む子、袋を机に置いて力強く叩いて潰す子と揉み方もさまざま。

少しずつ色が変化してきた花の色素を小さな容器に移し替え、比べてみると…。ツバキの方が色が濃く茶褐色に色づき、ふんわり良い匂いが漂います。その一方で、桜は薄黄色に色づくものの匂いはあまりしません。花の匂いを嗅ぎ分けようと、二つの容器に鼻先を当て小さな匂いの違いを探ろうとする子どもたちです。また、ツバキから出た色が赤ではなく茶色に変化したり、匂いが出たりすることから、他の種類の花も試してみたいという思いも膨らみ始めました。


“ツバキと桜の花から出た色素で布を染めてみたい”と声が上がり、容器の中に小さく切った布を浸した次の日、布を取り出してみると…綺麗に染まっていてびっくり!いろんな花を使って布を染めたいね、と友だちと話も盛り上がります。

草花遊びをする中で、花の匂いや色の変化など五感を研ぎ澄ませる経験が子どもたちの感性を豊かにさせてくれているようです。草花にも命があることを伝えつつ、子どもたちの疑問や呟きに耳を傾けながら草花への興味を深めていきたい思います。